京都ひろくに屋通信8月号
大文字火床より京都市街を望む
8月16日、3年ぶりに通常の規模で行われた五山送り火。直前の大雨で点火が心配になりましたが無事、夜空を照らしお精霊さんを見送ることができました。通常は一番最初に点火される大文字ですが、雨の影響で左大文字が一番最初に灯り次に船形、妙法、大文字、鳥居と続きました。
2022年8月16日20時10分ごろ点火された大文字
*8月5日~16日に五山送り火でお焚き上げする護摩木の受付がそれぞれの山で行われました。私も初めて大文字の護摩木を奉納するため大文字護摩木受付所の八神社に行ってきました。受付当日、雨にもかかわらず大勢の方々が途切れることなく来られていて、お盆でお迎えしたお精霊をお送りする祈りの風習を大切にされているのが、人々の熱気からひしひしと伝わってきました。
*それぞれの山で日程が違います。
現在、京都市京セラ美術館で開催中の特別展「綺羅めく京の明治美術」。この展覧会で初めて帝室技芸員という存在を知りました。
京都市京セラ美術館
明治維新後、諸藩等の庇護を受けることができなくなった画家や工芸家は窮地に立たされていました。日本の優れた技術が衰退していくことに危機を感じた明治政府は天皇の財政に文化の保護を求め1890年、帝室技芸員制度(*1)を発足しました。本展では帝室技芸員に選ばれた、京都に所縁のある19人の作家たちの優れた技術作品を見ることができます。
特に素晴らしかったのが超絶技巧を駆使して作られた並河靖之氏(*2)の有線七宝の作品と、パリ万国博覧会でも絶賛された初代宮川香山氏の眞葛焼の作品。息をするのを忘れるくらい集中して見入ってしまいました。普段は色々な美術館に所蔵されている作品を一堂に介して見られる本展は必見です。
(*1)1947年、宮内省の改変により、帝室技芸員制度は廃止されました。
(*2)並河靖之氏の住居跡が京都市京セラ美術館近くの岡崎に現存し「並河靖之七宝記念館」として公開されています。(現在改修工事中の為2023年4月頃まで休館中。)
【綺羅めく京の明治美術】
会場:京都市京セラ美術館
会期:2022年7月23日(土)~2022年9月19日(月・祝)月曜休館 (祝日の場合は開館)
時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
HP:https://kyotocity-kyocera.museum/
日本を代表する伝統工芸である「漆」。海外では「JAPAN」と呼ばれることもある「漆」を用いた、博國屋の新しい商品ができ上がりました。
今まで納骨ペンダント小町の円筒形は「拭き漆に桜」のみでしたが、新たに黒漆の「くろ」と赤漆の「あか」の2種類が仲間入りしました。
どちらも朴木に木地固めを施した後、漆を何度も塗り重ね(4回以上)最後に磨き上げています。
「くろ」は漆特有の上品で味わい深い光沢に仕上げています。「あか」は半艶の赤呂色の漆と赤色の顔料で練った赤漆を使用し、くろよりも艶をおさえた仕上がりになっています。
博國屋の手元供養
京都の樹木葬
滋賀県の櫟野寺樹木葬 櫟苑(らくえん)