京都ひろくに屋通信10月号

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モダン建築の京都

緊急事態宣言が解除され、街は多くの人で賑わうようになってきました。紅葉の見ごろの11月中旬から12月初旬は観光客で溢れる京都が戻ってきそうな予感です。

コロナ禍で中止になっていたイベントなども開催されるようになり、街が華やいできています。フランスのパリでは10月1日に一夜限りの現代アートの祭典「ニュイ・ブランシュ(白夜祭)」が行われます。あまり知られていませんが、パリの姉妹都市京都でも同じく10月1日に今年は「オリゾン/展望」をテーマにパフォーマンスや映像上映など、市内各所で繰り広げられました。会場の一つ、京都市京セラ美術館もフランス国旗色にライトアップされていました。

【モダン建築の京都】展

今回は、京都の街をより深く知るためのとっておきの展覧会、京都市京セラ美術館で開催中の「モダン建築の京都」展(*1)を中心にお届けします。
京都はお寺や庭園など日本的なイメージが強いのですが、街を歩いていると以外にも数多くの洋風建築に出会います。現在は商業施設やレストランにその用途を変えて保存活用しているところが多く見られますが、お城のような建物を眺めていると、建設当時の時代背景や関係する人たちについての興味がどんどんと湧いてきます。
このような好奇心に答えてくれる秀逸な展覧会が京都市京セラ美術館で開催中の「モダン建築の京都」展です。この展覧会を企画された内の一人、前田尚武氏は京都市京セラ美術館の学芸員であり一級建築士。展示会場の図面を自身で引き、交渉してお借りした資料は400点以上にものぼり、関連イベントがこれまたすごい数。前田氏の建築に対する面白さや奥深さを伝える力がみなぎった、大変見ごたえのある面白い展覧会となっています。

そもそもなぜ、京都に西洋建築をはじめとする「モダン建築」が多く建てられたのか?1000年もの間、都として栄えてきた京都は明治に入り1869年、都が東京に移ったことにより衰退がはじまりました。官民は復興を勧めるべく特に教育と勧業に力を入れ、近代化を目に見える形として器である建物に西洋建築の要素を取り入れました。全国に先駆けて誕生した京都の小学校は確かに西洋風な建物が多く見られます。

展示会場は展示物との距離が近くて見やすく、建物の図面の横に縮小模型が併設展示されているので、平面だけではわかりにくいところも実際に立体で確かめることができました。又、建物内の様子が映像モニターに映し出されているので実際に建物の中にいるような気分さえ味わうことができました。コンピューターもCADもない明治時代に引かれた手書きの図面は凄みを感じます。超絶に細かく、見ているだけで体力が消耗するほどの圧倒的パワーを放っていました。(図面は撮影不可の為、会場でしか見ることができません。)

本展では京都に現存する100件の建築物を選定してカタログを作り、そのうちの36件について図面などの資料が展示されています。カタログをガイドに、博國屋の事務所近くの河原町丸太町界隈に残る明治以降に建てられた西洋建築を実際に辿っていこうと思います。

【旧京都中央電話局上分局】

京阪鴨東線の神宮丸太町駅近く、丸太町橋を渡ったところに、お城のようなレンガ済みの建物があります。旧京都中央電話局上分局で1984年に京都市登録文化財となりました。内装はほとんど変わっていますが外観はほぼ当時の姿を残しているとのこと。周囲の景観に合うようにドイツ民家風の外観が取り入れられたそうです。現在、1階はフレスコというスーパーマーケット、2階~3階はコナミスポーツジム。此処は京都大学にも近いので以前、ノーベル賞受賞者、京都大学教授の山中伸弥先生をお見掛けしたことがありました。ジムに通われているのでしょうか?

(建築家:吉田鉄郎)

【島津製作所河原町旧本社】

旧京都中央電話局上分局(現フレスコ)前を過ぎてしばらく行くと河原町通りに出ます。河原町通りを南に5分ほど歩いていくと島津製作所河原町旧本社(現フォーチュンガーデン京都)があります。
島津製作所といえば2002年にノーベル賞を受賞した田中耕一氏が働いている会社で当時大きく取り上げられていたのを思い出します。教育用理化学器機の製造業から始まり現在は国際的な精密機器メーカーに。初代島津源蔵氏の長男は島津マネキンの創業者で、旧本社ビルの1階にはマネキンのショールームがありました。円形と楕円形の窓が特徴的な建物で、内部の装飾も美しい。現在1階はレストランとなっていますので内部を見ることは可能。

(建築家:武田五一)

*旧本社ビル近くの木屋町二条に初代島津源蔵の住居兼本店が残っています。(現島津製作所創業記念館)

他にも教会が以外にも多く、凝った装飾や異国情緒あふれる建物などがあり、想像力を掻き立てられます。機会があれば訪れてみては如何でしょうか。

(*1)「モダン建築の京都」展
会場:京都市京セラ美術館
会期:2021年9月25日(土)~12月26日(日)月曜休館  
時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)

*京都京セラ美術館のHP
https://kyotocity-kyocera.museum/
*フォーチュンガーデン京都HP
https://www.fortunegarden.com/
*島津製作所創業記念館HP
https://www.shimadzu.co.jp/visionary/memorial-hall/


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【追記】
博國屋の事務所の向かいに、100年以上前に建てられた洋風建築の小林祐史写場(写真館)があります。寺町通はその昔、路面電車が通っていました。路面電車で通学していたある男子学生が寺町通り沿いに住む美しい姉妹の姉に一目惚れしました。その後男子学生と姉妹の姉は結婚。寺町通のこの地で写真館を営みました。写真が未だ珍しい時代、軽井沢などの避暑地で過ごす裕福なご家族の旅行に同行して写真を撮ったり、来日したオーケストラの指揮者など主に肖像写真を撮影をされていたとのこと。20年ほど前に妹様からお話を伺いしたことを懐かしく思い出しました。

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博國屋の手元供養

博國屋の手元供養品

上記でご紹介した手元供養品以外にも様々なタイプをご用意しています。ぜひご覧ください。

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京都の樹木葬

手元供養の博國屋のコンサルタント部門を担う㈲カン綜合計画とし2011年よりスタート、現在、東福寺、建仁寺、大徳寺の大本山の塔頭の樹木葬の管理運営を行っております。
京都並びに海外を含む全国からもご好評を頂いております。 また樹木葬の寺院様向けのプロデュースとして、樹木葬閑閑(かんかん)で事業提案をしております。経営主体はお寺となります。カン綜合計画はお寺からの委託を受け、「京都の有名寺の樹木葬」のプロデュースから、募集・運営までを行っています。

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